分譲マンションの建て替えをちょっと考えてみた

不動産

分譲マンションの建て替え決議要件を緩和する方向らしい。
現行の、5分の4から4分の3を目指すそうだ。
国土交通省の予想によると、築40年以上の分譲マンションは2026年で約170万戸、
2031年で約250万戸、2041年で425万戸になる。増えるねー

分譲マンションの建て替えの難しさは、私が20代の頃からすでに言われていた。
もう35年も前だ。最悪スラム化する恐れがあると。
なので何を今更、もっと早くに手を打っておけばいいものを と思う。
人間は自分のお尻に火が付かないと、いよいよもって考えない。
楽観的というか、希望的観測というか、何とかなるんじゃないかと思っている。
出来れば先延ばしにしたい、考えたくないと思っている。
自分も含めて。

茨の道を物語っているのが、建て替え実績がなんと
今までの累計で270件、約22,200戸(2022年4月現在)しかない。
270件ですよっ!少なっ

そりゃ難しいよ。
ちょっと考えただけでもわかる。
4分の3どころか3分の2でも厳しい、私に決めさせてもらえるなら3分の1だね。
3人でも話が纏まらない時があるのに。
何十人、いや場合によっては何百人もいるのだ。
単独所有に比べて、共有は将来に火種を残す。
所有権の定義、使用・収益・処分を自由に行えるのか考えてしまう。
リフォームするのさえ管理組会に届け出ないといけないしね。
うまく話しが進んだとしても、完結するまでに最短10年、長けりゃ20年と
いったところか。普通の一戸建住宅計画でも、3年なんてザラだからね。
その間に相続が発生すれば大変、相続人不明になればまた一苦労。

どういう状況になるのか、ちょっと想像してみよう。
まず築50年以上とかになると、ほとんど高齢者だろう。
計画進行中もどんどん高齢になっていく。
建て替え工事中の1年~2年かの間、どこかに仮住まいしてもらわないといけない。
仮住まい費用の負担に、一戸当たりの平均負担額が1,941万円。
重い。
結局、この負担が老若男女全員に課せられる。
お金に余裕のある人ならいいが、なければローンを組んでもらわないといけない。
高齢者は、年齢的に長期間は無理。
そこまでする必要があるのか、ならば買い取ってもらって退去するか。
余生をつつがなく、できるだけ波風が立たないように生きたい。
「もうそっとしといてーなー と私なら言う」

この負担金、容積率に余裕があれば余分に建てて、第三者に買ってもらい
負担を軽くすることもあるが、そんなのごく一部で、分譲業者が利益取らないと
いけないのに、ぎちぎちに建ててるわ。

賃貸で借りている人はどうするの。借家法は!?正当事由は!?
(法改正は6ヶ月猶予とかでの退去も、視野に入れているらしいが・・・
競売時の立ち退きみたいに)
計画が持ち上がっていれば、定期借家にするか。
貸しづらくなるかもしれない。

と、ざっと想像しただけでこれだけ思い浮かぶ。
再開発の概念が必要になってくるのだろう。
高齢者施設、立地にもよるだろうが病院や商業施設などとの併設とか。
大都市と地方都市との違い、そもそも人口減少の中で、どんな需要があるのか。
これから日本全国に、独自の成功事例が上積みされていけばいい。
色々な選択肢が増えればいいと思う。
法改正も、日本の現実や将来像に合わせた形での改正でないと、
実行されない、絵に描いた餅に終わる。

 

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